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20年に1度、姫路「三ツ山大祭」最終日迎える-参拝客の思いさまざま

大祭のシンボル「置き山」。姫路の神社「播磨国総社」(姫路市総社本町)で20年に1度執り行われる祭り「三ツ山大祭」で。4月7日

大祭のシンボル「置き山」。姫路の神社「播磨国総社」(姫路市総社本町)で20年に1度執り行われる祭り「三ツ山大祭」で。4月7日

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 姫路の神社「播磨国総社」(姫路市総社本町)で20年に1度執り行われる祭り「三ツ山大祭」が4月7日、最終日を迎えた。

置き山と並ぶ呼び物「作り物」

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 参道に造営する3基の「置き山」に「八百万(やおよろず)の神」を招くことで、国内の平安と発展への願う同祭。20年おきに執り行う。今回の大祭も1993年以来の挙行。生涯で大祭に巡り合う回数は限られるとあって、氏子のみならず遠方からも参拝客が訪れる。

 3月31日に始まった祭りが最終日を迎えたこの日も、同神社の参道には参拝客が引きも切らず訪れ置き山を目指した。置き山の直径は10メートルで、高さは18メートル。参拝客らは一様に置き山を見上げ、記念撮影のシャッターを切る。撮影を終えた人の多くが拝殿で礼拝を行い、神社を後にする中で、思い思いに置き山の下へたたずむ人もいた。

 「置き山を見ながらこの20年間を振り返っていたところ」と姫路市在住の有本秀子さん。「前回の大祭で49歳だった私も69歳になった。平凡な主婦として過ごした年月だが、いつも健康でいられたことに感謝したい」と話し、置き山に一礼した。

 置き山を写生していた野本俊紀さん(姫路市在住)は24歳。「祖父母に連れられて参拝した20年前の大祭をうっすらと覚えている」と話す。「この春大学を出て、念願のデザイン会社に就職したばかり。20年後の大祭には、妻や子を連れて訪れることになると思う。充実した人生を送ることができるよう努力したい」と答えながら筆を走らせた。

 大祭の終わりを告げる神事「祭典終了奉告祭」まで最終日の同祭を見守るという塚本隆司さん(同)は、「20年前には訪れていない。全く興味がなかった」と振り返る。「次の大祭には、参拝客の一人としてではなく、祭りを支える市民の立場で参画できれば。夢の一つとして考えているのは、置き山と並ぶ同祭の呼び物『作り物』を古式にのっとり製作してみること」と話し、20年後へ思いをはせた。

 大祭期間中の人出は約65万人(主催者発表)。次回の大祭は2033年。

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