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姫路で市蝶「ジャコウアゲハ」写生大会-児童ら120人がチャレンジ

姫路文学館(姫路市山野井町)で開催された姫路市のチョウ「ジャコウアゲハ」写生大会の様子

姫路文学館(姫路市山野井町)で開催された姫路市のチョウ「ジャコウアゲハ」写生大会の様子

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 姫路文学館(姫路市山野井町)で8月29日、姫路の市蝶(しちょう)「ジャコウアゲハ」の写生大会が開催された。主催は姫路商工会議所青年部スローライフひめじ委員会。

指導を受けながら熱心に写生

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 ジャコウアゲハの市蝶指定は1965(昭和40)年で、江戸初期に現在の姫路城を築城した池田氏の家紋「揚羽蝶(あげはちょう)之紋」に由来。サナギは「お菊虫」の別称を持ち、江戸末期の怪談「播州(番町とも)皿屋敷」の主人公・お菊の化身と伝わる。

 戦前までは、お菊虫が姫路土産として志賀直哉の小説「暗夜行路」にも登場するなど市内でもよく見られたというジャコウアゲハも、戦後の高度成長期以降は都市化の進展により生息地が縮小。サナギ・成虫とも次第に姿を消し、「市蝶として指定されているものの実物を知らない人が増えた。特に子どもたちは市蝶であることも知らないケースが多い」と同委員会の尾上劉次委員長。「まずは子どもたちに関心を持ってもらおうと、写生大会を企画した」と振り返る。

 当日は、小学校3~4年生の児童と保護者など約120人が参加。姫路科学館元館長の上田倫範さんからジャコウアゲハの生態について解説を受けた後、一斉にスケッチブックへ向かい写生にチャレンジ。この日のために用意したジャコウアゲハの成虫と幼虫、サナギを熱心に観察しながら、思い思いに筆を走らせる様子が見られた。

 「ジャコウアゲハは、図画工作や理科はもちろん社会科の分野にまで活用できる『生きた教材』。大会への参加をきっかけに姫路の地域資源として見直してほしい」と尾上さん。「将来は、姫路駅前など中心市街地でもジャコウアゲハが生息できる環境を整えていくのが夢。訪れる観光客が『チョウ舞う町』を楽しみ、滞在することで経済効果も期待できる」と続け、「ジャコウアゲハを姫路城と並ぶ観光の目玉に育てることができれば」と構想を語る。

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