姫路郊外の銭湯「明和温泉－姫湯－」（姫路市野里、TEL 080-6080-1755）が1月15日、リニューアルオープンから半年を迎えた。

浴槽

　同銭湯は1962（昭和37）年に「明和温泉」として創業。現在の番頭は3代目の長井翼さんが務める。これまで父の正敏さんが1人で経営していたが、2023年12月、釜の老朽化による損傷で営業が困難になり、一時は廃業の危機に直面した。翼さんは「曽祖父の代から続いてきた銭湯を簡単に終わらせるわけにはいかない」と看護師の仕事を辞めて家業を継ぐ決断をしたという。

　継ぐに当たり、翼さんは多くの人に相談したが、「立地が悪い、あんなぼろい銭湯じゃ無理だといった否定的な意見も多かった。そうした意見がかえってやる気を奮い立たせるきっかけになった」と振り返る。

　同銭湯の特徴は「天然地下水まき沸かし」。自然から湧き出る地下水をまきで熱し、湯を沸かす伝統的な方法で、現代では数少ないという。

　浴場は地下水を使ったかけ流し方式で、主浴槽のほか、ジェットバスや電気風呂、日替わりの薬湯を設置している。スチームサウナと水風呂も備える。洗い場は7カ所。

　「父のすごさを改めて実感した」と話す翼さんは風呂掃除やまきの準備、番台業務を担当し、正敏さんは湯沸かしなどの裏方を担う。翼さんは「お客さまから『良いお湯でした』と言ってもらえるとうれしい。もっと良い銭湯になるように日々改良を続けたい」と意気込みを見せる。

　営業時間は15時～24時。木曜定休。