姫路駅前の「サンクンガーデン」(姫路市駅前町)で9月7日、兵庫県内に伝わる獅子舞の保存会5団体が出演する「The 獅子舞 in ひょうご」が開催された。
兵庫県内の伝統芸能保存団体でつくる「兵庫県無形・民俗文化財保護協会」(事務局=神戸市中央区)が主催した同イベント。会場には、来年春の完成を目指して整備が進む姫路駅北駅前広場で4月から供用が始まった半地下式庭園「サンクンガーデン」を選んだ。
同駅前では現在、広場の整備を手掛ける姫路市が、同庭園など2カ所の公共空間をイベントなどに広く開放。社会実験「チャレンジ駅前おもてなし」(「イベントやらないか」事業)に取り組む。同イベントも取り組みの一つに位置付けての開催となった。
当日は、県内に伝わる獅子舞の保存と継承に努める5団体が出演。それぞれ20分ずつ舞台に立った。姫路からは「大塩天満宮獅子舞」(大塩町)が登場。頭・胸から尾までを覆う白と黒の毛を振り立てる「毛獅子」ならではの華麗な舞を若者らが奏でる「おはやし」に乗せて披露した。
新温泉町からは「諸寄麒麟(きりん)獅子舞」が登場。角を1本生やした獅子ならぬ麒麟の頭をかぶり、一般的な獅子舞のイメージとはひと味違うゆっくりとした所作を見せた。同様の獅子舞は、県北部の但馬地方から鳥取県東部の因幡地方にかけての狭い範囲でしか見られない珍しいものとあって、集まった人々の注目を浴びていた。
「城の観光で姫路を訪れた帰り。たまたま見ることができてラッキーだった」と神奈川県在住の内海喜訓さんと妻の糸穂里さん。「ビルの谷間で『非日常』を味わえたことも印象深い」と喜んだ。
同庭園では26日にも社会実験関連でのイベントを予定。挙式経験がない夫婦を公募し人前結婚式をプレゼントする「夢を叶(かな)える結婚式」(18時~、主催=姫路ウエディング協議会)が開催される。