「姫路城眺望デッキ」への再就職を果たしながらも再び姿を消していた「工事のおっちゃん」が9月1日、姫路駅前の地下街「グランフェスタ」で開かれたイベントで単発バイトにいそしむ姿を見せた。
「おっちゃん」らは2体の「かかし」で、成人男性に比べると小柄ながらも等身大。姫路市出身のかかし作家岡上正人さんが作った。それぞれ作業服の上下に長靴と軍手を着け、工事用のヘルメットもかぶる。
2体が初めてお目見えしたのは、今年1月。姫路市が再整備を進める同駅北駅前広場の建設現場をPRする「イメージアップ事業」の中心を担った。突然の登場に一時は「謎の人形」とされたこともあったが、次第に「工事のおっちゃん」の愛称で定着。駅利用客に親しまれたものの事業の終了で3月末に姿を消した。
4月末には同駅前へ復帰。完成が近づく「姫路城眺望デッキ」のPRスタッフとして再就職を果たした。6月15日に同施設の供用が始まると、2体はデッキ内に置かれた丸太製の椅子へ。肩を組み仲むつまじげに過ごす様子を見せていたが次第に関係が悪化。レスリングで格闘するようになり、同29日、禁じ手の絞め技でせめぎ合う姿を最後に再び姿を消していた。
約2カ月間のブランクを経て2体が3度目に姿を見せたのは、同駅前の地下街「グランフェスタ」で9月1日に開催された姫路産杉材のPRイベント「姫路杉活」。スタッフとして「呼び込み」「受付」を担当した。今回のイベントでは現場スタッフ全員が首にネームホルダーを下げる決まりになっていたことから、2体の氏名などが初めて明らかになった。
2体のうち兄貴分の1体は富杉安太郎さんで35歳、血液型はB型。年上ながら弟分の1体は杉安富次郎さんで37歳、同A型。併せて結婚歴も明らかになり、富杉さんが未婚で、杉安さんはバツイチという。
同イベントは1日限りとあって、2体も今回は「単発バイト」。本格的な再々就職はかなわなかったがスタッフとして杉材のPRに努め、変わらぬいでたちで通行人らに笑顔を振りまいていた。